エゾウコギ（エレウテロ）でβエンドルフィンを分泌

　エゾウコギ（エレウテロ）はその名の通りウコギ科の植物です。ウコギ科の薬用植物といえば高麗人参が有名ですね。エゾウコギは高麗人参の仲間なのです。しかしそれほど近い仲間というわけでもないのですが。高麗人参に含まれている有効成分はジンセノサイドですが、エゾウコギに含まれている有効成分はエレウテロサイドです。ただシベリア人参という別名からもわかるように、高麗人参のような効果を人体に対して発揮します。それはアダプトゲン効果です。アダプトゲンとは特定のストレスではなくストレス全般に対する抵抗力を上げ心身の能力を底上げしてくれるもののことです。中医学や漢方では上品（上薬）と呼ばれていますね。毎日摂っても副作用がなく病気にかかりにくい強い体にしてくれる薬草のことです。エゾウコギはアシュワガンダ、ロディオラロゼアと並ぶアダプトゲンハーブです。ただしエゾウコギは血圧を上げる可能性が示唆されています。高血圧の方は服用を避けておいた方が無難です。ちなみに中医学や漢方ではエゾウコギは刺五加または五加皮という生薬名で知られています。

　エゾウコギはウコギ科なので高麗人参のような効果があるのではないかと思った旧ソ連の科学アカデミーによって研究が進められ、その結果エゾウコギに高麗人参に勝るとも劣らない効果があることが判明しました。高麗人参のような強壮効果があることは勿論ですが、運動能力を向上させる効果に特に注目が集まりました。エゾウコギはエルゴジェニックス（運動能力増強剤）として用いられはじめ、モスクワオリンピックでソ連の選手団が利用したことで一躍有名になりました。エゾウコギには持久力、耐久力を強化する力があるようなのです。宇宙飛行士も愛用しているそうです。

　エゾウコギのスタミナアップの秘密は有効成分のエレウテロサイドにあると考えられています。エレウテロサイドはベータエンドルフィンの分泌を促進する効果があるからです。肉体が痛みや疲労を感じると、脳の下垂体からベータエンドルフィンが分泌され、痛みや疲労を軽減します。運動前にエゾウコギを摂取すると、ベータエンドルフィンの分泌が促進されるため、痛みや疲労をやわらげ回復を早くすると考えられているのです。

　またベータエンドルフィンはナチュラルキラー細胞（NK細胞）と結合してナチュラルキラー細胞を活性化する働きもあります。このことからエゾウコギを摂取すると免疫力が向上すると考えられています。

　エゾウコギにはエレウテロサイド以外にもクマリン誘導体やリグナン類、テルペン類なども含まれています。ですが一番の有効成分はエレウテロサイドなので、エレウテロサイドが標準化されている製品を購入するようにしましょう。

Nature's Way, Siberian Eleuthero, Standardized, 60 Capsules

　ハーブサプリメントで定評のあるネイチャーズウェイ社のエゾウコギは、エレウテロサイドBとエレウテロサイドEがきちんと標準化されています。