夜間頻尿と前立腺肥大症の予防にはノコギリ椰子

　ノコギリ椰子（ノコギリヤシ、ソーパルメット）はその名の通りノコギリ状の葉を持ったヤシ科の植物です。北アメリカ大陸の固有種でアメリカ先住民の間で古くから利用されてきました。中国では棕櫚子と呼ばれ泌尿器疾病の漢方薬として用いられてきました。現在ではヨーロッパで医薬品として扱われています。

　ノコギリ椰子で用いられるのはギザギザの葉ではなく実の部分で、この実は油性成分がたいへん豊富です。この果実に含まれる油性成分の中に5α-リダクターゼという酵素の働きを抑制する成分があります。この5α-リダクターゼという酵素の働きを抑えることでノコギリ椰子は前立腺に関するトラブルを予防することができるんです！前立腺は男性の膀胱の出口から尿道にかけて位置しているクルミ大の臓器です。前立腺には内腺と外腺の二つがあってこのうちの内腺の方に30歳を過ぎたあたりから小さな結節が生じ外腺を圧迫しながら肥大してついには前立腺全体が肥大するのが前立腺肥大症です。加齢とともに罹患率は高くなり特に50歳から急激に上がります。今の日本人男性では80歳で80パーセントの方が前立腺肥大症になると言われています。前立腺肥大症になると主に排尿で困難を覚えることになります。出そうとしてもなかなか尿が出なくなったり、チョロチョロとしか出なくなったり、出しても残尿感があったり、寝ても夜中に何度もトイレに起きることになる頻尿になったり。たかが尿、などと馬鹿にすることはできません。

　前立腺が肥大する原因の一つに男性ホルモンのジヒドロテストステロン（DHT）が前立腺にある受容体と結合する刺激があります。このジヒドロテストステロンは5α-リダクターゼによってテストステロンから変化した物質です。ノコギリ椰子には5α-リダクターゼの働きを抑える効果があるのでテストステロンがジヒドロテストステロンに変化するのを防ぐことができます。その結果ジヒドロテストステロンが過剰に生成されて前立腺を肥大させることがなくなるというわけですね。ノコギリ椰子エキスの投与によって残尿感や夜間頻尿などの排尿障害が改善されたという報告がいくつもあります。

　ノコギリ椰子には炎症を抑える効果もあるため前立腺に炎症が起きる前立腺炎を改善することもできます。炎症を促す物質を体内で合成する酵素の働きを抑制する抗炎症作用も持っているんですね。前立腺のことならノコギリ椰子におまかせ！といった感じですね。

　また5α-リダクターゼはAGA（男性型脱毛症）でも重要な要因です。AGA（男性型脱毛症）も前立腺肥大症と同じように5α-リダクターゼによってテストステロンがジヒドロテストステロンに変化することが原因の一つです。だから5α-リダクターゼの働きを抑制することはAGA（男性型脱毛症）にも有効なんですね。ノコギリ椰子エキスには5α-リダクターゼの働きを抑える効果があるのでAGA（男性型脱毛症）の改善にも効果があるというわけです。前立腺のトラブルだけでなく薄毛のトラブルにも効果を発揮するとはノコギリ椰子はすごいですね。さすがはアメリカ先住民が健康のために用いてきただけのことはあります。

　iHerbで定番のノコギリ椰子エキスはこれです。

Doctor's Best, Best Saw Palmetto, Standardized Extract, 320 mg, 60 Softgels

　二酸化炭素で抽出したエキスです。二酸化炭素抽出は低温で行われるため成分の劣化が少なく溶媒の残留がないので安全性が高い、という特徴を持っています。コストがかかるので二酸化炭素抽出による製品は高価格になりがちです。ドクターズベスト社のノコギリ椰子サプリメントは二酸化炭素抽出でありがながらこの低価格！定番になるのも納得ですね。脂肪酸と植物ステロールを85パーセントから90パーセントに標準化してあります。植物ステロールには悪玉コレステロールを減らして動脈硬化に起因する生活習慣病を予防する効果があります。