イカリソウ（淫羊霍）は天然の精力剤

　イカリソウは漢方では淫羊霍（いんようかく）とも呼ばれています。これを食べた羊が1日に100回交尾をしたという伝説から、その名が付けられました。1日に100回は明らかに嘘くさいのですが、こんな名前が付くくらいですから、羊を精力絶倫にする効果があることは間違いなさそうです。人間の間でも天然の精力剤として用いられてきました。乾燥させてお茶にして飲んだり、薬用酒として飲んだりして、この自然の回春剤を利用してきたようです。ちなみにイカリソウという名前は、その花の形状が船の錨に似ていることから付けられました。怒り草ではありません。

　イカリソウを摂取すると、体内の一酸化窒素のレベルが上がります。一酸化窒素には血管平滑筋を弛緩させ血管を拡張する作用と血小板凝集抑制作用があります。つまり血流を改善します。すると陰茎に流れ込む血液量がアップするんですね。イカリソウはこのようにして強精効果を発揮するのです。これはバイアグラの勃起改善と同じような仕組みですね。30歳を過ぎると体内での一酸化窒素の産生能力が衰えるので、イカリソウを使って体内の一酸化窒素のレベルを高めるのは効果的かもしれません。インポテンツの改善も期待できそうです。精液の分泌が旺盛になったという報告もあるようです。

　また一酸化窒素にはアンモニアを取り除き、乳酸の消費を促す作用もあるので、肉体疲労の回復にも有効です。イカリソウは精力目的の方だけでなく、激しい運動をするアスリートやボディビルダーの間でも人気のある薬用植物です。一酸化窒素が充分あれば、筋肉の疲れを速やかに取り除き、血流を改善して筋肉に必要な栄養をスムーズに届けることができます。強力な滋養強壮剤でもあるんですね。

Nature's Way, Horny Goat Weed, Standardized, 60 Capsules

　イカリソウの有効成分のフラボノイド配糖体であるイカリインは茎と葉の部分に含まれています。しかし茎にはわずかしか含まれていません。このネイチャーズウェイ社のイカリソウエキスは有効成分のイカリインが多く含まれている葉の部分をサプリメントにしたものです。イカリインが10パーセントに標準化されています。500mgの10パーセントですから、50mgのイカリインがしっかり含まれているというわけですね。

　イカリソウは古代中国の薬草書『神農本草経』では中薬（中品）に分類されています。上薬（上品）が毎日摂ってもいい薬草であるのに対し、中薬（中品）は長期に渡る服用を勧められていません。中薬（中品）は、体力を養い病気を予防する滋養強壮剤ではあるのですが、使い方次第では毒にもなる薬です。ここぞという時にだけ使用した方が良さそうです。