PMS（月経前症候群）にはシャタバリ（天門冬）

　ストレスに対する抵抗力を上げるアダプトゲンには様々なものがありますがシャタバリは女性向けに特化したユニークなアダプトゲンです。アシュワガンダが主に男性向けに使用されているのとは対称的ですね。もっともシャタバリもアシュワガンダも男女どちらが使ってもいいハーブなのですが。シャタバリを男性が摂った場合は精子の量が増えると言われています。

　シャタバリはアスパラガスの仲間で中医学、漢方では天門冬という名前で古くから親しまれてきました。古代中国の薬草書である『神農本草経』では上品・上薬として記載されています。中医学ではアダプトゲンのことを上品・上薬と呼んでいたので、これはシャタバリ（天門冬）が古代中国の時代からアダプトゲンとして使用されてきたということです。

　インドの伝承医学であるアーユルヴェーダでも同様に扱われてきました。アーユルヴェーダでは人間の体質（ドーシャ）を3つにわけます。（トリ・ドーシャ理論）風のヴァータ、火のピッタ、水のカファです。シャタバリはヴァータとピッタの増悪を抑えカファを増やすという性質を持っています。特に火のピッタを抑える働きが強いです。これは中医学、漢方で天門冬が大寒、つまり体を冷やす性質を持っているとされていることと合致します。体を冷やすというと何だか弱々しくなりそうなイメージですがシャタバリは力を蓄えるカファの性質が強いので脂肪を蓄えることなく筋肉だけを増やすという特徴を持っています。強壮剤なんですね。虚弱体質の改善にも力を発揮するそうです。シャタバリとは100人の夫を持つ女性という意味です。

　シャタバリ（天門冬）はフィトエストロゲン（植物エストロゲン）の豊富な供給源です。女性ホルモンと同じような働きをする物質をたっぷり含んでいるんです。だからPMS（月経前症候群）や更年期障害を和らげる効果を持っていると言われています。PMS（月経前症候群）や更年期障害はホルモンバランスの急激な変化が原因の一つと考えられています。シャタバリ（天門冬）で女性ホルモンと同じような働きを持つフィトエストロゲン（植物エストロゲン）を補給するとホルモンバランスを整えることができるようです。シャタバリ（天門冬）が女性向けアダプトゲンと言われる所以はこれでしょうね。

　またシャタバリ（天門冬）にはサポニンが豊富に含まれているので便を柔らかくする効果があります。これにより辛い便秘を改善することができると言われています。サポニンは悪玉菌である大腸菌に対して強力な殺菌作用を持つので腸内環境の改善もできそうです。

　免疫機能の強化や消化性潰瘍の治癒効果も期待できるそうです。

　私もシャタバリ（天門冬）を摂りましたがなんと最初は体が熱くなりました。これは恐らくシャタバリ（天門冬）に含まれているサポニンが血流を改善して末梢血管まで血液がサラサラになったからだと思われます。その後、寒くなりました。

　私が摂ったシャタバリ（天門冬）はこれです。

Paradise Herbs, Organics, Shatavari, 60 Veggie Caps

　iHerbのページでは100倍濃縮となっていますが、実際の製品ではサポニン40パーセントに標準化されています（この記事を書いた時点では）。化学肥料と農薬を使っていないオーガニック（有機栽培）のシャタバリ（天門冬）です。ハーブサプリメントを専門にやっているパラダイスハーブ社の製品です。

　パラダイスハーブ社は会社名の通りハーブ専門なのでハーブ製品には定評があるのですが、ハーブ自体は良いものを取り扱っていてもそれを製品化するのはまだまだだと思いました。カプセルの緩衝材として綿が入っていましたがその綿が横に入っていました。普通は縦に、カプセルと蓋の間に空間を埋めるようにして入っています。ところがパラダイスハーブ社のシャタバリ（天門冬）はカプセルの横に綿が入っていたのでカプセルが中で動き放題でした。緩衝材の意味がないです……。今までたくさんのサプリメントを買ってきましたが綿が横に入っていたのはこれが初めてです……。製品には何も問題がなかったので構わないのですが少し不安になりました。カプセルは小さくて飲みやすかったです。