肥満治療薬ゼニカル（オルリスタット）の代替にキトサン

　肥満治療薬ではゼニカルが有名です。ゼニカルの主成分であるオルリスタットは、脂肪を分解する酵素であるリパーゼの働きを阻害し、脂肪が吸収されるのを防ぐことができます。それによって食事からの脂肪の吸収を30パーセント減らすことができると言われています。30パーセントの脂肪は腸から吸収されることなく、そのまま排出されるのです。食べたことをなかったことにしてくれるという何とも都合のいい薬なんですね。厳しい食事制限をしなくても痩せられるので大変人気のある抗肥満薬です。

　しかし脂肪の吸収を妨げるということは、脂肪分に溶け込んでいる脂溶性ビタミンの吸収を妨げるということでもあります。だからゼニカルを摂っている人は脂溶性ビタミンであるベータカロテン（ビタミンA）、ビタミンE、ビタミンDなどをサプリメントで補うことが勧められています。

　また脂肪が肛門から漏れ出すということもあるようです。下痢になることもあるようなので注意が必要です。

　サプリメントではキトサンがゼニカルと同じような効果を期待できそうです。キトサンはエビやカニなどの甲殻類の外骨格に含まれているキチンを脱アセチル化することによって得られる多糖類です。動物性食物繊維のキトサンを食事の時に摂取すると、脂肪やコレステロールを低下させる効果があると言われています。キトサンは胆汁酸を吸着して体外に排出する働きがあります。キトサンが胆汁酸を排出するので、胆汁酸を作るためにコレステロールが使われます。その分、血液中のコレステロールが減ります。またキトサンは腸を通る時に腸内の余分な脂肪を吸着して体外に排出してもくれます。塩分も吸着するので高血圧の予防にもなります。そして脂肪やコレステロール、塩分だけでなく、重金属やダイオキシンといった毒素も吸着して体外に排出してくれる効果もあるようです。余分なものを吸着して体外に排出してくれるのがキトサンの効果です。

　キトサンもゼニカルと同じように脂溶性ビタミンの吸収を阻害することがあるので、キトサンを摂る時は脂溶性ビタミンをサプリメントで補うのがお勧めです。

　キトサンはコレステロールの吸収を抑制する特定保健用食品（トクホ）としても利用されている実績があります。海外から個人輸入すると安く買うことができますよ。

Now Foods, Chitosan, 500 mg, 240 Capsules

　ナウフーズ社のキトサンはLipoSan Ultra Chitosanという特許を取ったブランド原末を使用しています。これは従来のキトサンの5倍の脂肪吸着力を持っている優れ物です。ミネラルのクロミウムもセットになっています。

　キトサンは甲殻類の殻から作られています。だから甲殻類アレルギーのある方は摂取してはいけません。