関節リウマチや変形性関節症にはキャッツクロー

　キャッツクローはペルーに自生している植物です。アマゾンの先住民の間で古くから薬草として使われてきました。なんとインカ帝国の時代から用いられてきた歴史があります。スペイン語ではウニァ・デ・ガト (Uña de Gato)と言います。英語ではキャッツクロー、猫の爪ですね。その名の通り猫の爪のようなトゲが生えています。日本ではキャッツクローの近縁種のカギカズラが釣藤鈎（ちょうとうこう）という名前で生薬として利用されてきました。キャッツクローは希少な植物な上、幻の樹木とまで呼ばれるその効果が知られると、大量に伐採されて激減してしまいました。一時は危機に瀕していたキャッツクローですが、ペルーのフジモリ大統領によるフジモリ計画によって保護されて、現在ではその数を回復し、現地の貧しい人々の貴重な収入源にまでなっています。

　キャッツクローにはカテキン、タンニン、ポリフェノールといった成分がいろいろ含まれていますが、特に注目されているのはキャッツクロー特有のアルカロイドです。このアルカロイドが免疫力高め効果を発揮すると考えられています。キャッツクローのアルカロイドには白血球の貪食作用を高める効果やTリンパ球の機能を増強する効果があることがわかっています。キャッツクローには免疫機能を活性化させ調整し、免疫のバランスをとる効果があると言われています。関節リウマチは免疫が自分で自分の体を攻撃してしまう病気なので、免疫機能を賦活し安定させるキャッツクローは関節リウマチの改善に役立つと考えられているのです。

　またキャッツクローのアルカロイドには抗炎症作用もあります。さらに血管を拡張して血流を改善する効果もあります。これらの効果が複合的に働くことによって、キャッツクローは関節痛や腰痛、神経痛の痛みを取り除き、体を正常化する効果があると考えられています。

　キャッツクローのサプリメントを買う時はアルカロイドが標準化されているものを買うようにしましょう。

Now Foods, Cat's Claw Extract, 120 Vcaps

　このナウフーズ社のキャッツクローサプリは10倍濃縮でアルカロイドが1.5パーセントに標準化されています。キャッツクローの命はこのアルカロイドなので、アルカロイドがちゃんと入っているのか、それとも入っていないのかわからない製品を買うより、確かに入っていると保証されている製品を買った方が賢明です。

　ちなみに釣藤鈎は中医学、漢方で下品（下薬）に分類されています。これは劣った下等な薬という意味ではなくて、効き目が強烈なので症状が出た時だけ飲む薬という意味です。効き目が穏やかな代わりに副作用が生じる危険の少ない毎日飲んで良い薬は上品（上薬）と言います。釣藤鈎とキャッツクローは仲間ですが、全く同じ植物というわけではありません。だから釣藤鈎の性質がそのままキャッツクローに当てはまるというわけではないのですが、キャッツクローも毎日摂取するのではなく、必要な時にだけ摂取するという摂り方をした方がいいかもしれません。キャッツクローの鎮痛効果は比較的即効性があると言われています。

　全身性エリテマトーデスの患者さんがキャッツクローを服用中に急性腎障害になった事例があるようなので、全身性エリテマトーデスの患者さんは念のためキャッツクローの服用を避けた方がいいでしょう。